☆柚美side☆



「その歌声、お母さんから譲り受けたんだ」

「多分な。
親父は音痴らしいから」


「凄いねぇ、羨ましいよ」

「こんな複雑なのにか?」

「うん。
アズミがお母さんを大事にしていたってことわかるしね」

「・・・」



少しだけ、アズミの顔が赤くなる。



「照れてんの?」

「はぁ?んなわけねぇし」

「図星でしょ。私はわかるよぉ?」

「からかうな」

「ふふふ」

「キモイぞ」

「あ、ひどーい!」



クスクスと、私たちは笑いあう。



「朝ご飯食べよう?」

「良いよ、俺も手伝うよ」

「良いよ良いよお客様だし」

「気にするな。あと客扱いするな」

「お客様じゃん。何が違うの?」

「俺は客扱いされるの嫌いなの」

「わかったよ。
じゃあ一緒に作ろう?」

「おぅ!」




なんか楽しそう・・・。

良かったね、アズミ!