☆安海side☆
さっきの人は、俺の実の父親。
親父さんに隠れていたのが、親父の再婚相手で、俺の養母。
俺の実の母親・・・アミさんは、親父から縁を切られているから、俺は母さんと呼ぶことを禁じられ、アミさんと呼んでいる。
安魅(あみ)さんは親父が父親から継いだ会社の社長秘書として来て、親父と会って結婚。
俺がうまれ、会社は俺に継がせようとした。
しかし会社の経営が傾き、親父は焦りからか何からか知らないけど、アミさんと離婚し、俺を一方的にアミさんに預けた。
アミさんと俺の生活は大変だったと思うが、アミさんは俺を決して捨てたりしなかった。
しかし俺が小学2年生の時、アミさんが突然事故で死んだ。
俺がアミさんの荷物整理をしている時、アミさんが自分に万が一の時が会った時用に、俺に遺書を残していた。
遺書には今まで俺が知らなかった父親の存在が書かれていた。
アミさんは離婚後も親父の行方を探していたらしく、住所が載っていた。
俺はアミさんと過ごした家を出て、親父が社長を務める会社へ向かい、親父に会った。
そこで俺が会ったのは、親父の新しい秘書のお袋さん。
親父はまだ未成年の俺を見て、家へ引き取った。
しかし親父は俺の名字をアミさんの名字であった桜田から、養母の名字である薮内に変えなかった。
親父は俺の名字を変えようとしたらしいが、養母がそれを許さなかったんだ。
養母が愛した親父と得体の知れない女(アミさん)との間の俺なんて、養母が好きになるはずなかった。
俺が未成年だから引き取ったんだ。
仕方なくってやつだよ。


