二人で描いた夢の国でたくさんの決め事を作った
最後の最後で決めた“歳を取らない”ルール
俺は大人の大変さや汚さを知っていた
だから歳を取らない事が希望の光でもあった
でもミノルは………
歳を取れない辛さと大人になれない寂しさを知っていた
ミノルが本当に作ってしまった夢の国は、夢の国なんかじゃない
大人になりたくない
ずっと子供でいたい
そう願う子供達を救う世界なんかじゃなくて………
ミノルがそんな世界を作った理由は…………
『大人になれるのになる事を拒んだ子供が許せなかったんだろ………?』
ミノルは俺の言葉をただ黙って聞いていた
だけど俺はまだ何も分かっていなかった
時間が止まってしまったミノルと
時間が進んでいる俺との違いに……………
『そう、僕は大人になりたかった。でもなれなかった』
ミノルは少し遠くを見つめながら言った
なんて遠い目をしてるんだろう……
なんて……淋しい顔をしてるんだろう
『歳を取らない街を作れば、僕はみんなと対等の立場で居れると思った』
『…………』
『でもだんだん悔しさが込み上げてきた』
『…………』
『なんで大人になれる人が大人になる事を拒んで、大人になる事を望む僕が大人になれないのかって』
ゴクン………息を飲んだ
ミノルがあまりにも寂しそうで、苦しそうで
俺を見る瞳はまるで暗闇の中に居るようだった
夢の国に足を踏み入れたら、一生出る事は出来ない
大人になりたいと願ってももう遅い
その苦しみを理解させる為にミノルは夢の国を作ったんだ



