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『今日は突然すいませんでした』
日本庭園風の庭を抜け、門の手前で頭を下げた
綺麗な着物をまとったミノルのお母さんはやっぱりこの豪邸にぴったりの風格だ
『いつでも遊びに来てね』
『……はい、でも来る度緊張します』
俺が冗談まじりに言うと、ミノルのお母さんはクスッと笑い
『うちの息子の友達だもの。本当に……本当にいつでもいらっしゃい』と優しい顔をした
ミノルの家族には本当に世話になりっぱなしだ
ため息が出るぐらい暖かい人達で……感謝をしてもしきれない程、感謝してる
『はい、また来ます』
俺は笑顔で言った、すると………
『あの子の名前ね………』
『?』
『“ミノル”って名前はね、あの子の願いが“実る”ようにって……そんな願いを込めて付けたの』
『願いが実るように…………』
俺は胸に刻むようにその言葉を繰り返した、次に聞こえてきたのは………
『うちの子をよろしくお願いします』
そう頭を下げるミノルのお母さん、その肩は小刻みに震えていた
深く深く頭を下げる姿を見て、俺はとっさに手を差しのべた
『頭を上げて下さい。ってか…俺が下げるべきなんですから…』
『え…』
顔を上げたお母さんの目を見て俺は言った
『ミノルを産んでくれてありがとうございます。俺あいつに出会えてよかった』
お母さんの目には大粒の涙が光っていた
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