記憶が一部なくなってるなんて知らない俺は、おふくろと暮らし続けた
別居が継続していた為、親父と俺はあまり顔を合わせる事はなかった
なんで家に父親が居ないんだろ?と不思議に思ったけど
たまに家に送られてくる借金の明細書を見て、父親が家に帰って来ない理由はこれだと納得した
だから父親という存在が良いイメージと繋がらなくて………
母親に“お父さんってどんな人?”って聞いても、いい顔をしなかったから……勝手に父親は悪い人だと決めつけていた
まぁ…最も今考えればいい顔をしなかったのは、俺が父親の事を思い出したのではないか……?と焦っていたからだと思うけど
そんな生活が暫く続き、俺が13歳の時に親父とおふくろは離婚した
親父を悪い人だと決めつけてた俺は……離婚という事実に無反応だった
記憶がなくなっていた事を今責めても仕方ない事なんだけど……
やっぱりあの事故さえなかったら……って思う
親父とのサッカーボールが手元にあったら……
もしかしたら記憶が戻るキッカケになったかもしれないけど……
皮肉な事にボールはミノルに預けたまま
ミノルの事も忘れてしまってる俺には、どうする事も出来ない現実だった



