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俺は病院を出て歩き始めた
住所が書かれた白い紙を握りしめて……
この場所にあいつが居ると思うだけで心臓がドクン…ドクンと鼓動する
ミノルとは何回か会ってるけど
記憶がなかったあの時と、記憶が戻った今とでは“会う意味”が全然違う
やっと…………
やっと会えるんだねミノル………
紙に書かれた住所はウツギ町の外れだった
そこへ向かう途中、ふっと足が止まる
真っ直ぐ続く道と右に曲がる道の境目
この住所に行く為には真っ直ぐ行かないといけないのに……
…………………
俺の足は右の道に曲がる
ごめん……ミノル…
少しだけ……少しだけ、寄り道してもいいかな
………………
………
右に曲がった道はウノ町へと続いていた
スタスタと歩く足を速める
それは早く目的の場所に行きたいんじゃなくて、今行かないと二度と行く決心が出来ない気がして
行こうと思えたのはミノルのおかげ
全てと向き合ってからあいつに会いたいから……
…………………
出来れば来たくなかった場所、出来れば避けて通りたかった場所
俺は目的の場所に着いて腰を屈(かが)めた
コンクリートとの地面に手を置き、
『ここら辺だよな…』と呟いた
コンクリートは太陽の光を浴びて熱くなっていたけど……
俺にはひんやりと冷たく感じた
あの日雨に濡れて横たわっていた自分の姿を思い出して……
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