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おじさんは黙って俺の話しを聞いた後、
『………君も色々と大変だったんだな』と口を開いた
俺は唇を噛みしめ、グッと拳に力を入れた
『………いつの間にか…10年も経ってしまいました。今さら……全てを思い出しても遅いのに』
どうにもならないと思っていても、どうしても10年の空白が許せなく感じた
俺がそう言うとおじさんの顔色が変わった
『“今さら”なんて君に似合わない言葉だね』
『?』
俺は思わず顔を上げた
おじさんの顔を見ると、怒っていると言うよりは悲しそうな顔をしていた
おじさんはそれを隠すように、目線を俺ではなく窓の外に向けた
『私も10年前とは随分変わったって言われるよ。昔は無口で近寄りがたかったってね』
『…………』
『君は見た目だけじゃなく、中身まで変わってしまったみたいだね』
中身まで………?
おじさんは外で揺れている桜の木を見つめながら言った
『今さら……なんてあの頃の君なら絶対に言わない』
『…………』
『私に説教したあの強い眼差しはもうなくなってしまったのか?』



