あの日、俺はミノルと別れて家に帰る途中に事故に合った
雨で視界が悪く、夕暮れ時で電灯の明かりも付いていない細い道で………
俺は車に跳ねられた
丁度ウノ町に入った場所だった、だから………
運ばれたのは“ウノ町病院”
もしあの時………
ウツギ町で事故に合っていたら
運ばれた病院は“ウツギ総合病院”だったと思う
この病院に運ばれていたら、たぶんこんなにミノルとすれ違ってしまう事はなかった
俺は事故の時強く頭を打ち、その後遺症で一部記憶がなくなった
それは………
俺にとって大切な記憶
父親の記憶とミノルの記憶
当時の俺はその二人の事で頭がいっぱいで、大切に思いすぎて………
皮肉にもその記憶だけがなくなってしまった
パッと消えてしまった記憶は、何かのキッカケさえ掴めば思い出す事も難しくなかった
だけどおふくろは記憶が一部なくなってる事実でさえ俺に話す事はなかった
その理由は………
あの日、俺が父親の元に行ったと勘違いしていたから
記憶が戻ったら俺が父親の所に行ってしまうと思い、おふくろは今まで黙っていた
本当はあの日、父親の所に行ったんじゃなくて、おふくろと暮らす為に大切なボールをミノルに預けに行ったとは知らずに………
そのせいでミノルの記憶も今まで思い出す事がなかった
一つの勘違いが…………
全ての歯車を狂わせた
………………
俺は必死におじさんに説明した



