近未来少年少女




『はい…、さっきあの子が言ってました』

俺の緊張はまだ取れない

むしろ驚いたり、理由を聞いてくれれば説明出来るのに………

おじさんは何も聞いてこなかった


『昔は特別だったけど…今は他の病室と変わらない部屋にしたんだ』

尚、話し続けるおじさんの言葉に俺はチクリと胸が傷んだ

それは“昔”という言葉……………


『おじさん……ミ……』


『この病室から毎日笑い声が聞こえてくるとね…不思議と元気を貰えるんだよ』

“ミノルはどこに?”

その言葉は遮られてしまった

完全にタイミングを見失った俺は、ゴクンッと唾と一緒にその言葉を飲み込んだ



ミノルが居た病室で子供達が笑ってる

歳は……丁度あの頃の俺達ぐらいだろうか


この部屋にミノルは一人で居た

やっぱり一人では広すぎる

俺が突然姿を消して、ミノルはこの部屋でどんな事を思っていたのかな……


『少し場所を移動しようか?』

おじさんが突然、そんな事を言った、そして……

『少し君と話しがしたい』と付け加えた


おじさんの目はあの頃と変わらない

全てを見透かされてるような…そんな目をしていた

…………………………
……………


俺達は外が見える廊下の片隅に移動した

窓からは暖かい日射しが射し込み、廊下には二つの影が映っていた

おじさんは改めて俺の顔を見た


『君と会うのは……
本当に久しぶりだ』

俺はおじさんの目を見れず、

『……………はい』と小さく返事をした


『別に責めたりしてる訳じゃないよ。でも……君が何の理由もなく、あの子の前から消えるとは思えなかったから』


『……………
全部…全部話します……』

俺は声を振り絞った

……………………
……………