『こら、病室から出ちゃだめだろ?看護婦さんが来るまで我慢しなさい』
おじさんはそう言って、男の子の頭を撫でた
男の子は“はーい”と言い、病室に戻って行った
ガラガラ……と病室のドアが閉まっていき、バタンッと完全にドアが閉まったと同時に俺の緊張は頂点に達した
廊下には俺とおじさんの二人っきり…………………
…………
『君とは廊下で縁があるな』
先に口を開いたのはおじさんの方だった
『俺の事分かるんですか……?』
おじさんと会うのも10年振りで……俺の事なんてもう覚えてないと思ったのに………
例え、覚えてたとしても10年経ってるから、すぐに分かるはずないと思っていた
『私は医者だよ。人の顔を覚えるのは得意だ』
おじさんは俺に近付きながら言った
10年振りに現れた俺を不審がる様子もなく………
おじさんはミノルが居た病室のドアを少し開けた
『さっきの子もね、この病室の患者なんだよ』
病室の中では子供達の楽しそうな会話が飛び交っていた



