近未来少年少女



この声…この声は………

振り返るとミノルがキョトンとした顔で立っていた


『ミノル!!!!』


近い距離なのに思わず大きな声が出てしまった

病院の廊下に俺の声が響いた


『はは、そんな大きな声出さなくても僕はここに居るよ』

そうミノルが笑った


ミノルだ……本当にミノルが居る

立って歩けるって事は先生の言ってた通り大丈夫なんだな

俺の不安が一気に取り払われた


『体はもう平気なのか?』

確かめるように聞いた

『うん、今検査しに行ったけど大丈夫だって』

『そっか、よかった…本当に……』

ミノルはニコッと微笑んで、病室のドアを開けた


『廊下で話してると声が響くから中に入ろう』

……………………
…………


ミノルの部屋は相変わらず広くて、ここが病室だなんて思えない程だ


『ミノルあのさ………』

部屋に入ってすぐ、俺が言葉を発した瞬間………

『お願いだから謝ったりしないでね』

ミノルがすぐにそう言った

俺は今“ごめん”という言葉を言おうとしていた


ミノルが倒れた原因は俺にある、だから……………


『謝りたいのは僕の方だよ。びっくりさせちゃったよね……ごめん』


『な…、なんでミノルが謝るの?やめてよ…まじで…悪いのは俺じゃん…』


“悪いのは俺”

それを聞いたミノルは悲しそうにベッドに腰掛けた


『ユウキが悪いんじゃないよ。悪いのは僕の心臓』

ミノルは自分の胸に手を当てて言った

ドクン…ドクン…


ミノルの病気が心臓病だという事は知っている

それはミノルではなく、ミノルのお父さんから聞いた事だけど


今までミノルの口から病気に関しての話しは出た事がなくて……………

俺もそれについて聞いた事がない


だけど今“悪いのは僕の心臓”

初めて病気について触れた言葉を聞いた


今まで避けていた話題に向き合わなければいけない時が来たのかもしれない


ミノルが病気から逃げないのなら

俺も逃げない


ちゃんと真実を受け入れる