俺の目をじっと見ているのは白衣を着たおじさん
会った事がない初対面の人
その人がなんで俺の名前を………?なんて疑問は、不思議な事に俺の中にはなかった
目の前で俺の目を見つめる瞳があいつと……
ミノルと似ていたから
“君がユウキ君?”その質問に俺は『……はい』と答えた
初対面だけど初対面ではない
ミノルの言葉の裏側で何回もこの人の姿を見た
『ミノルの……お父さんですよね?』
そう声を振り絞った
息をする事さえためらう程、ピリピリとした空間
なんとも言えないおじさんのオーラに負けそうになった
“ミノルのお父さんですよね?”
その質問の答えが返ってくる事はなかった
だけど俺は確信していた
“無言”それは“答え”と一緒だから
おじさんはただミノルが居る“集中治療室”と書かれた赤いランプを見つめていた
その目が何を想っているのか全く分からない
何を考えてるのか予測出来ないおじさんの目を…俺も見つめながら、頭の中で色々な事を思った
ミノルが今まで“お父さん”について語った言葉の一つ一つ



