近未来少年少女


…………………
………

暫く経って俺は沈んだ気持ちのまま病院の中に入った

『あら?君は………』

一人の看護婦さんが俺に気付いて声をかけた

たぶんさっきミノルを運んだ時に居た人だ


『……待っててタオル取ってきてあげるから』

そう言ってナースステーションからタオルを取ってきてくれた


『……………』

俺は差し出されたタオルを受け取る事が出来ず、うつ向いた

髪の毛からはポタポタと雨の滴が垂れていた、すると………

『ミノル君今集中治療室に居るわよ』


看護婦さんは俺の頭を優しく拭きながら言った


『集中…………治療…室?………どこ…それはどこにあるの?』


『ここの階の突き当たりよ』

……!!
俺はすぐに走り出した

頭の上にあったタオルがスルリと床に落ちる


『あっ君………!』

そんな看護婦さんの言葉は俺には聞こえていなかった
……………………
………………


“集中治療室”


赤いランプの付いた部屋の前に着いた

ミノル………ミノル…………

叫びたい気持ちを必死に抑え、部屋の前にある椅子に腰を下ろした

コツン………コツン…………

静かな病院で微かに聞こえてくる足音

コツン……コツン…………………コツン……

音はだんだん大きくなっていく

コツン…………

………コツン……………

コツン


足音が止まったと同時に、うつ向いていた俺の視界に入る誰かの足元

俺はゆっくりと顔を上げた


『君がユウキ君?』