『あんなに遠くに行っちゃった、僕が取ってくるね!』
桜の木々に止まったボール、俺の横をミノルが通り過ぎて行った
ミノルは物覚えが早そうだな……
もしかしたらリフティングもすぐに出来ちゃったりして……?
今日はやらないつもりだったけど、少しだけ教えてみるか…
ブツブツと独り言をぼやいた後、
『ねぇ少し休憩したらリフティングー……………』
俺はくるっと後ろを振り返り、ミノルに話しかけた………………………
…………
ドクン…………ドクン……………
俺の心臓は今までに感じた事のない速さで動いた
……………………
ドクン…………
………ドクン…………
頭が真っ白になってゆく
灰色の空
小さな公園
雨はまだ降っていない
なのに動かない、抜かるんでいるはずのない地面が俺の足を掴んで離さない
…………………
ミ……ミ…………………………
『ミノル!!!!!!』
振り返った先に見えたのは……………
ボールを抱えて倒れてる小さな小さなあいつの姿だった



