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俺達はおばちゃんの足を気遣いながら、駄菓子屋の外に出た
駄菓子屋の真ん中におばちゃん、その右側に俺が並んだ
ミノルは背景が全て入るように少し遠目の位置に腰を下ろした
ミノルの手がいつものように素早く動き、白い紙に描いていく
どんな風に書いてるのかここからじゃ全然見えないけど、ミノルの生き生きとした顔が俺を自然と笑顔にする
隣を見るとおばちゃんも嬉しそうに笑っていた
この空間、この時間が一秒でもいいから長く続けばいいと俺はそう思った
最近色んな事があって傷ついていた全ての事が……どうでもいいと思えるくらい幸せな時間が流れていたー……
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完成された絵はとても暖かくて、三人共笑っていた
背景は駄菓子屋、真ん中におばちゃんが居て……
右に俺、左にミノル
絵を三人で見つめながら、ミノルが静かに口を開いた
『おばちゃん……この絵ここに飾ってもらってもいい……?』
『もちろんいいよ』
おばちゃんが優しくそれに答える
『ありがとう……』
ミノルはすごく穏やかな顔をしていた
『いいのか?自分で持ってなくて』
俺が聞くと、ミノルは大きく息をはいて言った
『だってこの絵は証だから…僕がここに居たという証』
なぜだろう………
この瞬間、ミノルが少し俺から遠ざかったように感じた
ミノルの言葉が胸に突き刺さるのはいつもの事なのに……
なんで………なんでこの時間がもう手に入らないような
もう戻ってこないような、そんな気になるんだろう
三人で居る幸せな空間がまるで最後だと誰かに言われてるみたいで
俺は一人唇を噛み締めた



