『中に何が入ってるんだい?』
おばちゃんの質問に俺とミノルは戸惑った
ここで中身を見せないのは不自然過ぎるよな…
ミノルは動揺を顔に出さないようにパカッとカバンを開けた
カバンの中は相変わらずカラフルで、俺が初めて見た時と同じようにおばちゃんも目を輝かせていた
『綺麗だね…。ミノルちゃんはこれで絵を書くのかい?』
ミノルはコクリッと小さく頷いた
そしておばちゃんは優しい顔でこう言った
『見てみたいね、ミノルちゃんが書く絵を』
その言葉に俺達は顔を見合わせた
ミノルが何かを言いたそうだった、俺はそれを悟った
『おばちゃん……本当はね…今日絵を書きにここに来たんだよ』
『そうなのかい?でも何の絵を…………』
おばちゃんが不思議そうに首を傾げた
『……駄菓子屋の絵だよ』
ミノルは小さな声で言った
『駄菓子屋の絵?』
『うん…ここの風景を絵に残したいんだ。僕の絵なんて大した事ないけど、良かったら書いてもいい…かな…?』
ミノルの言葉におばちゃんはニコッと笑って、
『こんな汚い店なのに書いてくれるのかい?嬉しいね…』と嬉しそうに言ってくれた
最初は帰ろうかと迷ったけど、おばちゃんが喜ぶ顔が一番だから………ミノルは絵を書く用意を始めた
すると、準備をするミノルの手が止まった
『どうした?』
俺が聞くと言いづらそうに、口を濁らせた
『一つだけわがまま言ってもいい………?』
わがまま……?
ミノルがこんな事言うなんて珍しいな
『なに?』
『絵に………ユウキとおばちゃんも入れたいんだけど…あ、でもおばちゃん足痛いよね……や、やっぱりいいや!』
俺はチラッとおばちゃんを見た
おばちゃんの顔を見て答えは一つしかないと思った
おばちゃんはミノルの頭を撫でながら……
『それならおばちゃんも一つだけわがまま言ってもいいかい?』
『………?』
『おばちゃんとユウキちゃん、それとミノルちゃん三人を絵に入れて欲しい』



