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俺達は駄菓子屋への道のりを歩いていた
先週交わしたミノルとの約束
駄菓子屋のおばちゃんが優しいとか、美味しいお菓子があるとか、そんな話しをしながら向かった
『ここだよ』
俺は駄菓子屋の前で足を止めた
『こ、ここ…?』
ミノルが口ごもった
まぁ………うん、気持ちは分からなくもない
今にも壊れそうなボロボロの建物だし………
“ウノ町二丁目
駄菓子屋坂本”
と書かれた看板はよーく見ないと読めない程、塗装が剥げていた
『大丈夫だよ、見た目はちょっとアレだけど…。とりあえず中入ろう』
ガラガラガラー…
俺はミノルを誘導するようにドアを開けた
『おばちゃーん!』
いつものように大声で呼んだ
『はいはい』
奥の部屋からゆっくりとした足取りで、おばちゃんは俺達の近くまで来た
『おばちゃんまた来たよ。今日はもう一人居るんだけど…』
『あらあらユウキちゃん、今週も来てくれたのかい。おばちゃん嬉しいね』
……おばちゃん俺の話し聞いてる?まぁ…いいけどさ
俺は後ろで不安そうな顔をしてるミノルの手を引っ張り、強引に前に突き出した
ミノルは少しうつ向きながら、チラッっとおばちゃんの方を見た
『……こ…こんにちは』
ミノルがボソボソと言った
こんな傍に居る俺さえも、何を言ってるのか聞こえなかったから…
おばちゃんには尚更聞こえなかったと思う
だけどおばちゃんはそんなの気にせず、
『あらあら可愛いね。ユウキちゃんのお友達かい?名前は?』と優しい顔で問いかけた
『あ……ミ、ミ…ノルです』
『…ミ……?』
やっぱりミノルの声が小さすぎて、分からないらしい
俺はそんな姿を見て、助け船を出した
『ミノルだよ、おばちゃん』



