『特に大人の言いたい事は分かるよ、顔に出やすいからね』
なんだろ……?
人の心が読めるんじゃないか、そう思った時は“すごい”と思ったのに……
今は“すごい”と思えない
だってミノルが悲しそうな顔をしてるから
『あ、話しがずれちゃったね…。えーと…お父さんの話しだよね?』
『え?い、いや……』
もう今さらミノルがお父さんを嫌いな理由なんて気にならなくなっていた
でもミノルは…………
『僕はお父さんが嫌いっていうか苦手なんだ』
隠したりせずに、お父さんについて話し始めた
…………………
…………
『ほら、僕こんな感じでしょ?院長の息子なのにずーっと入院暮らし』
『………』
『治すのが仕事なのに一番身近な人間を治せないんだもん。僕が健康だったら跡取りですって言えたのにね』
ミノルは悲しみを通り越して、開き直ってるように見えた
『お父さんは今まで完璧に生きてきた人なんだ。なのにそれを僕が崩した』
『そんな事……』
『ううん、そうなんだよ。だから僕の病室にも来ないしね。でもお父さんと会っても何を話せばいいのか分からない』
『なんで……?』
『向こうが気を使って喋るから僕も余計に気を使う。笑って話しを合わせればいいのか、大人しく黙ってればいいのか、それとも悲しそうにすればいいのか……僕はいつも分からない』
ミノルが淡々と喋るから…俺は相づちもしないでただ聞いてるだけだった



