お母さんは大きくため息をついた
『今日仕事が早く終わって帰ってる途中、ユウキと同じクラスの子のお母さんに会ったのよ』
『…………』
『そこで初めて授業参観がある事知ったのよ!“ユウキ君のお母さんはもちろん参加よね?”なんて言われちゃって…』
『………』
『しかももう締切過ぎたって聞いたから学校に電話したのよ!そしたら“不参加に丸ついてますよ”って言われたわ』
お母さんは長々と俺に文句を言い続けた
“ごめんなさい”そう言えば終わる
その言葉を言いかけた…次の瞬間、お母さんの言葉で俺の中の何かがプチンと音を立てた
『お母さんすっごく恥ずかしい思いしたじゃないの!どうして勝手な事するのよ?』
勝手な事?恥ずかしい思い?
『……お母さんは結局、自分が嫌な思いをしたから怒るんだね』
『え………?』
普段、反発なんて絶対にしない俺だけど…どうしても言わずにはいられなかった
『それならいつ話せばよかったの?いつ授業参観の紙を見せる時間があったの?ねぇ…見せたら参加に丸付けてくれた?授業参観があるって言ったら俺の為に時間作ってくれたのかよ!』
自分の口じゃないみたいに、不満が爆発してしまった
俺は今までお母さんに怒られる事はあっても、怒った事は一度もない
もっと話したい、一緒に出掛けたい、夜の仕事しないで…なんて言った事もない
それを言うとお母さんが困るから………
だから、いつもいつも我慢してた
お母さんは俺達の為に働いてくれてるんだから……俺は絶対にわがままなんて言わないって
いつもいつも自分に言い聞かせていた
どんなに不満が積もっても…家の為に働いているお母さんを嫌いになれる訳がないから



