辺りが夕焼け色に染まり始めた頃、俺は黙々と家へと帰っていた
いつものように鍵を開けて中に入る……あれ?
すぐに変化に気付いた
お母さんの靴がある!
この時間は仕事のはずなのに……
急いで靴を脱ぎ捨て、リビングへ走ると……ドアがほんの数センチ開いていた
俺の足音に気付いたのか、『ユウキこっちに来て』と低いトーンで呼ばれた
思わずドキッとする心臓
俺はもうひとつの変化に気付いた
この声のトーンの時は決まって機嫌が悪い時か、怒られる時だという事
俺は恐る恐る重たい足取りで、リビングの中に入った
『な、なに?』
お母さんと距離を取りながら、俺は聞いた
だけど……『いいから、こっちに来なさい』と自分が座ってるソファーを指さして言われた
これは怒られるパターンのやつだな……俺何かしたっけ…?
渋々腰を下ろすと、お母さんは一枚の紙をテーブルの上に置いた
……?これは……
『どうして授業参観の紙お母さんに見せなかったの?』
テーブルの上に置かれたのは、随分前に配られた授業参観の紙だった
『………』
俺は無言のまま、“どうして見せなかったの?”と聞かれた事より………
“どうしてここにあるの?”と逆に聞きたかった
だって授業参観の紙は……
『あんた自分で“不参加”に丸つけたでしょ?』
『………』
そう…俺は授業参観の紙は、とっくに学校に提出したはずだった



