「逢原すず………」
「あたしがここに戻る前、すずちゃんとたくさん話したみたいだね。
光輝の病気のことだって、すずちゃんが教えてくれたんだよ?」
だんだん、視界がボヤけていく。
大好きな、大切な幼なじみの顔が見えなくなってくる。
ねえ、光輝はこんな気持ちなの?
あたし、涙目だから光輝の顔がよくわかんないよ。
光輝に人がどう見えてるかなんてわからないけど。
もしこんな状況なら…ものすごく大変なんだね。
「あたし、〝幼なじみ〟として光輝のことを応援するから。
一緒に覚えていこ?」
「聖羅、さんきゅ…」
光輝の顔、全然わかんないや…。
いつか光輝が人の顔をちゃんと見えるといいね。
だから、病気のことも恋のことも。
全力で応援する……!
悲しくないといったらウソになるけど。
でも、幼なじみと友達のことは応援したいから。
だって幼なじみも友達も……。
大切で大好きだもんっ。


