すると、美人な女の人とパチッと目が合って。
私は軽くお辞儀をした。
「聖羅ちゃん。
お友達も連れて来てくれてありがとう」
「いえ…。
あの、光輝は……!?」
聖羅ちゃんはベッドに寝転がる藤谷くんの元に近寄った。
私と優芽ちゃんも聖羅ちゃんに続いて、ベッドで横たわる藤谷くんの顔を覗いた。
…頭と右足には包帯が巻かれていて。
顔にはたくさんの擦り傷。
それに、呼吸器がつけられている。
「……生きてる…」
ちゃんとこの目で藤谷くんが生きてるのを見れて。
なんだかホッとして、ジワッと目に涙が浮かぶ。
「あなたが、光輝と一緒にいた…すずちゃんかしら?」
藤谷くんのお母さんの穏やかな声が聞こえて、コクンと小さく頷いた。
「すずちゃんも…光輝も、ふたりとも無事で良かったわ」
藤谷くんのお母さんは、藤谷くんにそっくりな柔らかい笑顔で私を見つめてくる。


