キミと帰る道







だって、なんだかこの頃いっぱいいっぱいで。
集中してないってのもあるけど。
…やっぱ苦手な教科だからちゃんと勉強しなきゃなあ。






「すず」




「…っえ?」





突然後ろから誰かに呼ばれて。
思わず肩がビクッと跳ねる。





…ううん、〝誰か〟じゃない。
それは私の知ってる低音の声。






「なんで…? …藤谷くんが?」





振り返らなくてもわかるよ。
と言うか、振り返りたくないや…。





「前言ったこと、忘れて。
あのときは…本当にごめんな」





忘れないよ、そんなの。
…藤谷くんの本心だったんでしょ?





きっと私は、…重いから。
迷惑たくさんかけちゃったんだと思うから。