NEW WORLD

「同じクラスの人だよね?本山さんと前の席の人」


「…そうですけど、それが何か?」
 

足を止めて嫌々振り返った結ちゃんが答える。
 
須永様はにこりとほほ笑んだ。


「同じクラスでしょ?折角だし一緒に帰らない?まだこの辺不慣れだし、教えてもらえると嬉しいんだけど」
「は?冗談じゃ――」


「喜んでっ」
 

結ちゃんの言葉を遮り、私は須永様に笑顔で答えた。
 

背後の冷気など気にならないほど、感激していた。


「ありがとう、本山さん」
 


天使の笑顔っ。
 

どうやって置き去りにしたのか、背後の女子の集団も見とれて吐息をはいている。
 

ああ。イケメンってすばらしいっ。


「本山さん――椎名って名前でいいんだっけ?」

「そ、そうそう。もう、椎名って呼び捨てで呼んでいいからっ」

「ほんと?じゃあ、よろしく椎名。で、そっちは?」

 
めろめろの私に対し、絶対零度な態度の結ちゃんは一瞥だけ向けて前を向く。


「向井結」
 

名前だけ答えると、結ちゃんは私の腕をひいて須永様から遠ざかるような位置にする。
 


え、そんなご無体な。