NEW WORLD

「ああ、あの笑顔を一人占めできる名誉を与えられるなら、私もう他に何も望まないわっ」


「あんな軽そうな男にどれだけの価値があるんですか。見た目だけで全くお話になりません」


「どうしてそんな親の敵みたいな言い方するのよっ」


「全然してませんけど?」


「いやむしろ悪意を感じる、それはもうにっくき敵を相手取るような悪意っ」


「…椎名、そんなこといってる暇があったら明日の期初めテストの勉強した方がいいと思いますよ」
 

現実を指摘するあたりが、せこいっ。
 

始業式を終え、人もまばらな教室で。
 

結ちゃんと向き合いながら、私がやるべきは確かにテスト勉強だが今はいかにして結ちゃんに須永学都様のよさをわからせるかが重要な気がしてならない。


「結ちゃんはさ、もっと周りをみるべきだよ」


「十分見てます。少なくても椎名よりは」


「いーやっ。あれほどのイケメンをみて目をハートにしないなんて、おかしすぎるっ」
 

教科書をぱらぱらと捲っていた結ちゃんは、ため息を吐いた。


「椎名、いい加減にしてください。あんな男よりも大事なことは山ほどありますし、テストの方がよっぽど大切ですよ。ていうかヤバいと思いますよ」
 


正論なんて大嫌いだっ。
 


きっちりみっちり五時まで学校で勉強してからやっと解放された。
 

その間、結ちゃんが一切考えを変える気配はなくて、やるせなさと勉学の苦しみでとりあえず早く寝てしまおうと誓った。