『お昼頃から降り始めた雪は、都内でも4センチの積雪を記録し、これから明日の未明にかけて更に積もる予想となっています…』 「マジかぁ…」 車のラジオを聴きながら、六年前の出来事を思い出していた。 あの日も雪が降っていた。 スピードを出さなければ車が走れる程度の降雪。 偶然だったのか、運命だったのか。 雪道に慣れていない運転手の車がカーブを曲がりきれず、歩いていた人を轢いてしまった。