そう、影の中で男子は騒ぎながら笑いあっている。


――――メニューを終えた後の、この雰囲気が好きだった。


ただ、その中に、私の大好きだった人の背中は無い。



「棗――――っ、ラスト!!」


バシャッという水音と、太陽に反射する水面、そして声援。


・・・・・・棗、という名前に、自分の胸が音を立てた。



「亜子――――?」



ぼんやりとしていた私の名を、傍にいたマネージャーが呼んだ。


なんでもない、と笑って首を振りながら、ツキリ、と胸が痛む。