今宮君は走りながら大声で怒鳴った。


「逃げて!!ここは任せて!!」


少年のような高い声で怒鳴りながらトラックに向かっている。


僕と井上さんは一体何が起こっているのか分からなくなりながらも走って木の橋を渡った。


今宮君がトラックに追い付くと恐ろしい跳躍力でトラックの荷台に飛び乗ったのが見えた。


逃げろと言われても目を離せなくなった。



今宮君が大声で山本さんに進めと言っていた。


山本さんも驚きの表情を見せながらバックで進んだ。



今宮君は動く荷台にしっかりと立つと持っていた弓を構えた。


五発弓を放つのが見えた。


今宮君は、弓を放つと山本さんに止まれと叫んだ。


山本さんがトラックを止める。


今宮君は荷台に立ったままで山本さんは運転席から降りてきて様子を見ているようだ。


敵の攻撃はないようだ。


僕達もゆっくりと近付いて行った。


山本さんも唖然としていたが僕達もその光景を見て同じように唖然とした。