かなりの衝撃があったのが分かる。


山本さんは全く怖じ気づかずにトラックに近づくと周りを観察していた。


僕もゆっくり近づく。


「下だな…衝撃で下まで落ちてる…」


山本さんはそう言うと道路が崩れて崖になった所を見ながら手を合わせていた。


僕も恐る恐る下を見ると人間がまるで人形のように変な格好で落ちていた。


良く顔を合わせていた運転手だろうが、今ではそれすら分かりにくい状態だった。


僕も山本さんにならって手を合わせた。


トラックを見ると衝撃で後ろの扉が開いていて物が散乱していた。


食べ物、雑貨、雑誌、ニトントラックに押し込むように積まれていた。



おにぎり等はすでに食べられない状態で山本さんと二人で仕分けにかかった。


山本さんがその中から折りたたみ式のノコギリを見つけて喜んだ。


「俺も持ってたが、こないだ折れて使えなかったんだ。こりゃ助かる。」


山の中のコンビニの為に時々こういう品物が入ってきていた。