張ってるロープに短いロープを掛けてそれに腕だけで捕まり行くのだ…確かに向こう側とこっちでは傾斜になっているが果たしてそんな曲芸のような事が出来るのか?



張ったロープが外れたり切れたりすれば終わりだし上手く滑るように行けるのか?



もしも、上手く行けたとしても向こう側の道路に這い上がらないといけない。


相当な体力と運動神経がいる事なのだ。



山本さんの太い腕とTシャツからでも分かる胸筋を見てると自分自身の貧弱な身体が情けなくなった。



「内田君大丈夫よ。ダメなら落ちて死ぬだけよ。こういう励ましは、おかしいけど今まで生き残った運も有るはずだから私は、大丈夫だと思ってる。」



井上ちゃんが変な励ましをしてきた。


しかし、確かに今まで生き残ったのだから何とかなるだろうと少しは、思えたし井上ちゃんの励ましは嬉しかった。



山本さんがその様子を微笑みながら見ていて恥ずかしくなったが、まあ仕方ない。