ヤバイ場所を通った時は片手を挙げて僕らに合図しながらだ。


それでも僕も井上ちゃんも何度も足をとられそうになったり危ない目にあった。



山本さんが急いでいるのは今宮君が気になっているからだろうと思った。



僕も井上ちゃんも額に汗をかいて着ているTシャツが汗で張り付いているのが分かった。


僕は少しスピードを緩めないと危険だと思い山本さんにそう言った。


山本さんは足を止めると僕を睨みながらゆっくり話した。



「今は、急がないとまずいだろう。分かるが危ないと思うならゆっくり来いよ。俺が先に行くから。」



「先に行って山本さんにもしもの事があったらどうするんですか?皆が山本さんを頼りにしてるの分かるでしょう。」



僕が反論すると山本さんはホウと言う顔をしながら笑った。


「分かったよ。少し休憩するか。」


山本さんは、そう言うと安全な場所を確認してどかっと座った。


腕まくりをしている太い腕の龍の入れ墨が汗で光り美しかった。