男が起きたのは十二時間以上経ってからだった。


朝方に既になっていて僕達と樋口さん三川君とが交代しようとしていた時だった。



「三川君悪いが、少しの間一人で見張っててくれ。」


山本さんが三川君にそう言ったのは樋口さんの傷の手当ての様子などを見ていて今は、必要だと思ったのだろう。



三川君は一瞬だけ嫌な顔をしたが山本さんに睨まれて直ぐに頭を下げて見張りに出て行った。


樋口さんはスポーツ飲料を開けると男に渡した。


男は半分ほど三分の一ほど一気に飲むとむせた。


樋口さんが、ゆっくり飲めば良いからといいながらTシャツを上げて傷の具合を確かめ元に戻した。



「今の所化膿とかないみたいだけど、夜にはもう一度消毒しましょう。」



男は女性の樋口さんにそうされても何とも思っていないようだった。


こうして起きてるのを良く見ると整った美しい顔立ちでまだ幼さがあった。