山本さんが僕の方を一瞬見たが目をそらした。


こん棒とパチンコを持つと一人で外に出ようとしたが、素早く武装した樋口さんがそれに続いた。


手には懐中電灯も持っている。


山本さんと樋口さんが外に出ようとした時にビュッビュッと音がして矢が飛んできた。



投石で空いた穴から次々に矢が飛んでくる。



こと美ちゃん大丈夫か!!呻くような声で渡辺さんが叫んだ。



渡辺さんがこと美ちゃんの上に乗っかりこと美ちゃんを隠すようにしていた。



樋口さんがそちらの方向を懐中電灯で照らすと渡辺さんの背中に二本の矢が刺さっていた。



キャー!!と井上ちゃんが叫んだ。


ビュッビュッと矢がまだ飛んできた。



「とにかく伏せろ伏せろ!!俺が行く!!樋口さんここを頼む!!」



そう言うと山本さんが外に出た。樋口さんは扉を直ぐにロックして叫んだ。



「一番後ろの棚まで這って行って!!こと美ちゃん声出して!!」