僕は山本さんとコンビニの裏に行くと沢山溜まったビールケースを持ち出して二人でさっきの道を往復した。



道の上に何ヵ所もビールケーを置いてその上に近くの石や岩で重しにした。



「奴等が、俺達みたいにバイクとか使ってくるならこれで少しは時間を稼げるだろう。やらないよりは、ましだ作戦だな。」



山本さんはそう言うとカラカラ笑う。



この人達に緊張感と言うものは無いのだろうかと僕は疑った。



コンビニに戻ると渡辺さんが中心になって周りに土嚢を積み上げていた。



「達夫、裏の川の何かの工事で置き忘れたんだろうな。土嚢用の袋が沢山岩の下にあったよ。

要塞って感じだろう。


渡辺さんが子供のようにそう話した。


裏から土を詰めて土嚢を皆で運んでコンビニの周りを囲い始めた。


山本さんが車に積んでいたスコップが二本ほど有りそれで土や砂を土嚢に詰めている。