その渡辺さんが眠そうな顔をしながらロックを外す。



僕達は、なだれ込むようにコンビニに入ると各々が何かしらの飲み物を飲み気持ちを落ち着かせた。


渡辺さんは再びロックをすると呑気な調子で聞いた。



「何かあったか?そりゃ何も無い事はないな。樋口さん達夫に襲われなかったかい?

こいつは、美人だとその事しか考えないからなあ。」



そう言うと渡辺さんがカッカッカッと笑う。


「違う意味で襲われたの。」


こと美ちゃんが思い出したように震えながら言った。


事の顛末を渡辺さん、井上ちゃん、三川に樋口さんが話した。



「何それ!さっぱり分からないじゃない。何しに行ったのよ!」



井上ちゃんが、樋口さんに突っかかるように声を荒げた。



樋口さんはコンビニのカウンターに入るとマルボロを取り出してゆっくり封を切った。



煙草をくわえると近くにあった百円ライターで火をつけて深々と吸う。