反対側に山本さんと僕が座った。


山本さんは宮下組長の足を邪魔だと退けた。


「相変わらずだな。山本さん。」


宮下組長は年齢は六十代だろう。


長身で肉はそれほど付いていない。

やはり高級そうな黒のスーツを着ていた。


「宮下さん。俺の友達が加藤の命令で襲われてるだよ。

あれか?この組は街と繋がりを持ってんのか?」


「委員会との繋がりが有るんだよ。委員会の主要な連中は山本さん達を歓迎してないからな。」


「委員会が、この街を仕切ってるんだな。だが、何故俺達を歓迎してない。」



そう山本さんが、宮下組長に聞くと宮下は笑いだした。


「山本さん、あんたのようなタイプは戦時以外は歓迎されないよ。

はみ出し者はここでは特に歓迎されないな。」


「ヤクザははみ出し者ではないのか?委員会に取り入ったんだな。

ヤクザ組織も壊滅しただろうから利口だよな。」


「そりゃ利口に立ち回らないといけないよ。山本さんもそうしなよ。

反権力なんて古いよ。」


「反権力じゃない。おかしい物をおかしいって言って何が悪いんだ。

それでも、俺もここでは大人しくする事に決めたがね。

だから今後は俺の仲間に要らない事をしないでくれよ。」


そう言うと山本さんは立ち上がって拳銃を加藤に投げると出口に向かった。


外に出るとさっきの連中よりも数が増えていた。