山本さんが戻ったのは樋口さんが、言ってた日より二日ほど遅れた。


いきなり僕達の病室に来ると樋口さんとこと美ちゃんに抱きついた。


樋口さんが、恐竜の復活ねと嬉しそうに笑った。


そして僕の所に来ると良い喫茶店を見つけたんだってな。行こうと言って無理矢理手を繋ぐと二人で出掛けた。


井上ちゃんから聞いたようだ。


まだ白いパジャマのような格好の山本さんと二人でこないだの喫茶店に入った。


山本さんは煙草を出すとゆっくり火をつけてゆっくり吸った。


ホットコーヒーを二人分頼み黙っていた。


コーヒーを飲むと旨いなと呟き煙草を吸う。


二人で黙ってコーヒーを飲みながら煙草を吸った。


二杯目を頼む時にやっと山本さんは今回は迷惑かけたなと言った。


とにかく皆が生きてたってのが一番だが、これからか色々まだ大変だなと言う。


僕は頷きながらも出所おめでとうございますと笑った。


「大人しくなったふりも大変だぜ。

ここは、どうやら楽園じゃないみたいだな。」


そう言うとしばらくコーヒーを味わっていた。


「樋口さんに何を言われたんですか?」



僕が聞くとやかましい大人の会話だよと怒ったが少し顔が赤くなるのが分かった。


僕は今までの経過をかいつまんで話した。



「今宮君にあの女の子もかあ。それと丸山組ね。」



丸山組を知ってるのかと聞くと頷き嫌な顔をした。