僕達は個別にどうやってゲツジンと戦ったかとかこれまでの経緯を聞かれた。


今宮君についてはかなりしつこく色々聞かれた。


例えば急に気持ちが変わって攻撃的にならなかったかとか、普段から落ち着きが無いとかなかったとか聞かれたが、彼がいかに立派に戦い人間的にも素晴らしいかを話すだけだった。


彼が居なかったら僕達は全滅していただろうし人間性も含めて彼は良い人だと話したが、聞く委員会のメンバーは渋い顔をしていた。


中井サクラさんとその兄が言ってた事が気になり始めていた。


ここでは、今宮君や中井サクラさんのような人間は歓迎されないのかと聞くと委員会のメンバーは、ゆっくり話した。


「今宮さんも中井サクラさんもゲツジンに身体能力を上げられてる訳ですよ。

ゲツジンの正体はほとんど分かってない。

身体能力を上げられて彼等が今後どうなるかも医学的にも分かってない。


それなら、特殊な例の二人を見張るべきでしょう。

何か起こってからでは遅いしあの身体能力ですよ。

恐ろしいじゃないですか。」


「見張るってどういう風にですか?僕達はかなり長く居ましたが、全く危険を感じなかったしそういう発想もなかったですよ。」


「そりゃあの力を利用しようとしたからその辺りは目をつむったんでしょう。」


そう言われてカチンと来た。


中年の特徴のない委員会の男に僕は言った。