足取りは、重くふらついているようなので僕は少し休もうと言ったが聞かなかった。


「今宮君も木本さんも同じように戦ってるはずだよ。俺達が休めないだろう。」


そう言うと歩き続けた。


歩くのは遅く段々とふらつきが激しくなっていた。


林を抜けるといきなり水の音が耳に入ってきた。


少し開けた場所に小川が流れて水が溜まっている場所に出た。


僕は強硬にここで少し休みましょうと言い自分自身も疲れてるので休みたいんですと懇願した。


二人で小川の水を飲んで顔や手を洗った。


「内田君が休みたいって言うなら少し休もう。」


そう言うと山本さんは大の字になって煙草を吸い始めた。


「あー最後の煙草だった。内田君も吸うか?」


聞かれて二人で回して吸った。


少し明るい場所で見ると山本さんの傷は相当酷かった。


よくこれで歩けたなというレベルだった。


今来た林の中が、揺れると今宮君と木本さんが出てきた。


木本さんは今宮君に背負われていた。


今宮君は、木本さんをそっと降ろすと話し出した。


「二手に別れたのは良いけどあちこちで待ち伏せに合いまして、それならもう合流しようと思ったんです。

木本さんの傷も酷いですし。」


木本さんを見るとやはりあちこちから血が出ていた。


山本さん程では無いがかなりの重傷だった。


「来たぞ!!」