「よう、内田君はどうするよ?取り敢えず行ってみようと思うんだよ。行けそうにないなら一旦引き返すから。」



山本さんが、まるで近所の喫茶店に行くような調子で言いながら煙草に火を点けて煙を鼻から出した。



「行くって何で行くんですか?車は通れないんでしょう?」


「ああ、取り敢えず原付きだな。井上には、言って何とか貸して貰ったよ。」



そういうと山本さんは僕の方に顔を寄せて小さな声で何とかやってしまえよ。やればあの女も少しは従順になるぞと囁いた。



樋口さんが後ろで顔をしかめている。



やるってたって、何を言ってるんだこのおっさんはと言う顔に僕はなっていたに違いない。


女はやってしまえば従順になる。強姦はダメだぞと山本さんは更に囁いた。


樋口さんが後ろから山本を蹴った。


「いや、それで内田君の原付きも貸して貰うよ。良いよね。」