確かに今宮君の活躍無しではここまでやれて無かっただろうが、僕は心配だった。
身体能力は高くてもゲツジンの優秀な連中も同じだけの身体能力を持ってるのだし今宮君はまだ若かった。
「大丈夫だよ。信じろ。今宮君が一人なら無茶をしかねないが、木本さんが居るんだから無茶もそこまでしないよ。
木本さんを簡単には死なせたくないはずだよ。そういう男だよ。
それにこうなって人の心配するより俺達自身が、どう戦うかを考えた方がまだ良いだろう。」
山本さんの言う通りだがやはり心配は心配なのだ。
その時林の中でガサガサと音がした。
「上だ!!隠れて居たか!!」
上から矢が飛んできてゲツジンが二人降りて来た。
矢はギリギリで当たらなかったが二人のゲツジンに山本さんが襲われていた。
山本さんは一人を力づくで投げたがもう一人とは組み合ったままで下に落ちていった。
残ったゲツジンに僕は鉄パイプで殴りかかったが避けられた。
林の中で木が邪魔で動きにくかった。
ゲツジンは僕に早いパンチを浴びせて来て僕が倒れた所を踏みつけようとしたが、踏みつようとした右足を思いきり拳で下から叩いた。
ゲツジンは怯んで距離を取ったが、まだ動きが鈍かった。
鉄パイプで顔面を突いて右足に振り下ろした。
狭い中で僕も必死だった。
ゲツジンの動きが止まった。
山本さんが、やれやれと言いながら上がって来た。