そういう日が二日程続いた夕食の時に山本さんが、突然言い出した。


「皆で祈ろう。どちらが良いかな。あの山に向かってとにかく生き残れますようにと祈ろう。」


神妙な顔をして一人で山に向かって手を合わせた為に皆も半分驚きながら数分間祈った。


「とにかく、戦って駄目だなと思ったら逃げろ。やれるだけやるが逃げる事も勇気だからな。

三川お前は最初から逃げる事しか考えるなよ。

やれるだけやって逃げても恥ずかしくないんだからな。

生き残ればまた良い事があるはずだ。」



「私は嫌ですよ。嫌って言うとおかしいけど、一人で生き残るのは余りに寂しいですし皆さんは若いからそれで良いけど私はとことん戦いますよ。

皆さんが、生きてくれたらそれで良いと思ってますよ。」


木本さんが、真剣な顔でそう言う。


「木本さん、それは生意気だけど違うんじゃないかな。生き残ったから今こうして仲間が出来たんでしょ。

また仲間は出来ますよ。

それにそんな歳ではないですよ。」


樋口さんが、たしなめるように話した。


「若いのは下半身だけですよ。」


そう言って木本さんは笑った。


「木本さん、生き残ろう。そして若い可愛い女を抱こう。

それが生き残る原動力で良いじゃないですか。」


山本さんが、そう言うと木本さんは笑った。