ゲツジンの動きが一瞬鈍くなったように感じた。


木本さんはもう一度同じ所にインローを放つと脚をスイッチすると左足でゲツジンの右を思いきり蹴っていった。


ゲツジンの動きが完全に鈍くなった所を二発三発と連続で左からゲツジンの右足にローを入れた。


ゲツジンが倒れた。


それでも木本さんは右足を思いきり踏んだ。


ゴキっと鈍い音が響いた。


木本さんも、その場に座り込んだ。


汗をびっしょりかいて肩で息をしていた。


「俺でもやれるんだな。

それが最初から分かってたらなあ。それにしても一人にこんなに時間が掛かっては駄目だなあ。」


呻くように話した。


木本さんはポケットから煙草を出すと吸いながら肩を震わせて泣いた。


家族の事を思い出しているのだろうと思いそっとしていた。


林からの帰りに双眼鏡とゲツジンの弓矢を持ちながらそう言えば捕まえるとか言ってたのに駄目だなあと木本さんは苦笑いした。


ゲツジンの偵察が来たという事は戦いは近いのだろうと僕は木本さんの肩を叩きながら思った。


気を引き締め直さないとなと感じた。


山本さんに二人で報告すると深刻そうな顔をしながらも木本さん流石だなと誉めた。



休憩は終わりだなとその後に粒いた。