こと美ちゃんに何か起これば皆のショックは大きすぎるだろう。


樋口さんと二本目の煙草を吸いながら待っていると井上ちゃんとこと美ちゃんが、戻って来た。


樋口さんは、走っていきこと美ちゃんを抱き締めた。


僕も急いで行きたかったが、ゆっくり動きながら歩いてこと美ちゃんの頭を撫でた。


「ごめんなさい。水を汲んでトイレに行ってたんです。そしたらびっくりする物を見ちゃって皆さんに心配かけました。」


まだ、若い女の子だからトイレに行ってたのを恥ずかしそうに話した。


井上ちゃんが、樋口さんに人手が居るかも知れないから来てくれませんかと言った。

樋口さんは理由も聞かずに井上ちゃんに付いて行った。


二人の間に信頼感が生まれているのだろう。


こと美ちゃんは塹壕に戻るとペットボトルの水を僕に渡しながら三川君にも謝っていた。


三川君は良いよ。どうせ俺は何もしてないからと答えた。


僕はペットボトルの水を少し飲むとこと美ちゃんに聞いた。


「何を見ちゃって驚いたの?」


僕はゲツジンの死体かと思っていたが、まるで答えはまるで違っていて驚いた。


こと美ちゃんは、まだパニックになってるのか頭の中を整理するように話した。