山本さんが、苦虫を噛み潰したような顔をした。


「あー!良かった。意識が戻ったんだ。
どうなるかと思ったよ。樋口さんカーゼは無かったけど綺麗なタオルがあったからそれで間に合いますか?

それと縫い物に使う糸と針は有りました。

やっぱり縫わないとダメそうですか?」


井上ちゃんが、樋口さんに聞くと樋口さんはお疲れ様と言いとりあえず傷口が開かないならそのタオルで消毒した後に押さえましょうと言った。


樋口さんも山本さんもお疲れ様と三人に言った。


樋口さんはタオルを切ると消毒液を掛けて傷口を押さえてテーピングでぐるっと巻いた。


「今は様子を見ましょう。とにかく傷口が開かないように特に上半身はなるべくそっと動かしてね。」


僕は頷いて井上ちゃんに助かったよ。ありがとうと感謝を込めて言う。


井上ちゃんは照れたように運が良かったねと答えた。

僕はあの後どうなったのかを山本さんに聞いた。


「あの後は残りは少なかったから皆で何とか出来たよ。

問題は今後だな。あれに気付いたゲツジンがまた来るかも知れないから塹壕の強化と皆エロ本を腹に入れないとな。」


そう言うと笑った。


あの後は何とか片付いたのかと思うとほっとした。