こと美ちゃんも心配そうに見ていてペットボトルを僕に渡してくれた。


僕は喉が乾いていたのだろうペットボトルに入った水を全て飲んでしまいこと美ちゃんの分は有るのだろうかと心配になって聞いた。


こと美ちゃんはこの林の近くに綺麗な小川を見つけたから大丈夫だと答えた。


まだ、飲みたいだろうから汲んで来るねと言うとこと美ちゃんが塹壕を出た。


塹壕は一番広い物でそこに例のエロ本が落ちていた。


表紙の奥さまはズタズタで奥さまなのか何なのか全く分からないようになっていた。


数冊の雑誌にゲツジンの矢が二本も刺さったらしかった。


井上ちゃんに、腹にこれ巻いて貰わなかったら今頃死んでいただろう。


「エロ本に助けられたってよりもこの厚い求人雑誌に助けられたな。世の中不景気でラッキーだったな。

まあ今となっては就職とか関係ないけどな。」


確かに厚い求人雑誌がなかったらやばかっただろうと思えた。


見るとお腹に二ヶ所の傷が付いていて一ヶ所はかすり傷程度だが一ヶ所は、抉れて血が固まりつつあった。


まだ痛みはあったが動けない事はないようだった。


今宮君、井上ちゃん、三川君が荷物を持って戻って来た。


三川君が一番荷物の量が少なかったが地面に直ぐに座り込んで疲れたと何度も繰り返した。