僕は衝撃で身体が、倒れるのが分かった。


まるでスローモーションのような感じがした。

山本さんと今宮君が何かを叫んでるのは分かったが何を言ってるのかは、分からなかった。


山本さんのゴツい顔が最後に見えて最後位美人を見たいよなと心の中で思ったのを覚えている。





僕は背中が痛いなあと思った。


「内田君!!内田君!!」


誰かの声が聞こえた。これが天国だろうか?女性の声のようだった。

軽い痛みが頬に当たる。


井上ちゃんと樋口さんが、僕を覗き込むように見ていた。


僕は、段々と意識が戻って来た。


ゆっくり起きようとすると腹が痛んだ。


「まだゆっくりしなさい。」


「運が良かったなあ。」


山本さんの呑気な声が聞こえた。


「傷を負ったんだからそんな呑気な言い方をしないのよ。この丈夫だけが取り柄のオッサンはデリカシーがないよね。

石器時代じゃないんだから。」


樋口さんが怒った声を出した。


「だけどエロ本の奥さまに助けられたんだぜ。奥さまありがとうだよ。

井上ちゃんありがとうだよな。運が良いよ。」


そういうと山本さんが豪快に笑う。


樋口さんは諦めたように顔をしかめた。


「今、井上ちゃんと今宮君と三川君がコンビニに戻って治療に必要な物とか取りに行ってるからね。

多分縫わなくて大丈夫だとは思うけど。化膿させてはいけないから。」