まだ、短い間とは言え皆が今回の事を上手く心の中で整理できてなかったしそれは当たり前だろうと思える。



いきなり何者かが攻撃を仕掛けて来てたまたま自分達は生き残り情報がないのだから心の整理をするのはとても困難な事だったのだ。


食べ終わるとコンビニの前の小さな焚き火を皆が黙ってじっと見ていた。


「おい!!見ろよ!!あの山!!」



叫んだのは渡辺さんだった。



渡辺さんは、温かい物を食べたせいか鼻水を垂らしながら立ち上がってコンビニから南の方角に有る山を指差していた。



その辺りの山は人は住んでいないはずで今回の攻撃も最小限しか受けていなかった。


渡辺さんの皺だらけの手の指す方を見ると山の中に灯りのような物が見えた。


電気は止まっているはずだが、もしかするとここだけなのか?と思った。