山本さんはコンビニをそっと出ると相手に気付かれないように早足で物陰に隠れながら近づいた。


三人は全く山本さんに気付いていないようでノロノロと歩いていた。


僕はさっき感じた何かをその時思い出した。


三人の中で一番若く見えて背の低いのは高校生の頃の同級生だったのだ。


名前は浮かばないが同じクラスに一度なっていた。


無口で目立たないタイプだったが鼻の下に大きなほくろがあったのが特徴だった。


今も風貌は多少は変わっていたが鼻の下のほくろといい間違いなく同級生だった。


僕はコンビニを慌てて飛び出そうとして樋口さんに止められた。


三人の中の一人が同級生だと言ったが樋口さんは取り合わなかった。


「かつては同級生でしょう?今よう!元気か?って言っても貴方が殺されるだけよ。ゲツジンなんだからね。我慢しなさい。

今貴方が出で行っても役に立たないどころか邪魔になるだけでしょう。」



僕は首を振るしか出来なかった。


「親友だったの?」


こと美ちゃんが聞いてきたが親友とかではなかった。


同級生だっただけど名前も覚えてないんだよと答えた。


山本さんは、そっと近づき隠れる物無くなるとダッシュして一人の頭を鉄パイプで思いきり殴り付けた。


三人は一瞬の事で慌てていた。