僕達は川の所まで来ると皆で丸太を置いて作った橋を渡って戻ろうとしたが、コンビニの方から弓が飛んできて再び山に戻った。


「内田君、こと美ちゃん!!大丈夫かあ!!」


山本さんの声がした時には僕はホッとする同時に無事だと言い返そうとして声が掠れて出ないのに驚いた。


「大丈夫です!!そっちはどうなんですかあ!!」



代わりにこと美ちゃんが、応えた。



「とにかく、急いで戻れ!」


山本さんが急いで戻れと言うなら川を渡ろうとして矢を放ってきた敵は何とかなったのだろう。


僕はこと美ちゃんの手を引いて戻ろうとしてよろめいてしまった。


緊張と恐怖から足が上手く動かないのかも知れなかった。


こと美ちゃんが、僕の手をしっかり握ると力強い言葉で言った。


「内田さんありがとう。助かりました。大丈夫です。行きましょう。」



大丈夫です。行きましょう。だけでは僕の自信は戻らなかっただろうが、助かりましたと言われてここまで何とかやったのだと思い少しだけ気持ちが楽になった。